今回のクイック税務は”外貨預金の期末換算”についてです。きちんと理解して考えを深めましょう!
今月のケース
外貨預金の期末換算について
2021年に入り円安ドル高が徐々に進み、2022年に入ってから一挙に加速し、つい最近では、1990年8月以来の1ドル150円台になりました。このような円安ドル高の今、特に注意したいのが外貨預金です。そこで、今回は外貨預金の換算について考えてみたいと思います。
外貨預金とは金融機関などに、日本円以外の米ドルやユーロなどの外国通貨(以下、外貨)で預け入れられている預金のことをいいます。外貨預金には、外貨普通預金や外貨定期預金などの種類があります。
法人が外貨預金を保有している場合に注意するのは、事業年度終了のとき(以下、期末時)の円換算です。
1.原則
法人が期末時に外貨預金を保有している場合には、次のいずれかの方法により期末に円換算します。
いずれにするかは、法人が一定の期間内に届出をすることにより、外貨の種類等ごと選定することができます。選定しなかった場合には、次の区分に応じた法定の期末換算方法によることとなります。
2.例外
国為替の売買相場(以下、為替相場)が著しく変動した場合には、外貨預金の取得を期末に行ったものとみなして期末換算を行うことができます。この場合の”著しく変動した場合”とは、次の算式により計算した割合がおおむね15%相当以上とされています。
この場合、外貨の種類を同じくする他の外貨建てでの資産等について、複数15%相当以上となる場合には、一部のみの適用は認められないなどの留意点があるため、適用には注意が必要となります。特に発生時換算法を選定しており、例外は適用できる割合が生じている様な場合、例外を用いたと仮定したときに自社の所得にどのような影響を及ぼすか、確認しておくことが重要です。
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